手品やってると言うと「あれって器用じゃなきゃ出来ないんでしょ?」と聞かれますが、
手品やるだけだったら、実はそんなに器用じゃなくてもできると思うんです。
やっている側的に簡単な手品が、見てる人にはすごい不思議!というのはよくあることで、
器用じゃなければ、それに見合った手品をチョイスして、究めれば良いだけのこと。
ただ、きちんと自分の世界観を出したい、とか、コンテストに出て評価されたい、
となると、手品の内容とは別の器用さが必要になってくる。
それは「工作力」。
基本的に市販の手品道具って、「原色で」「柄がダサくて」「意味不明な物体」が多い。
私の場合、衣装、テーブル、ハンカチ、花など、舞台上に見えるものほとんどが
自作か、もしくは何かしら自分の手が加わっている。
言いかえれば「裁縫」「木工」「染色」「造花造り」「紙細工」全部やってる。
一人暮らしの女子の家にノコギリとか、ドリルとかって、ねぇw
ある夜中に部屋でノコギリひいてた時は
「これって隣の人に聞こえてたら、犯罪者と勘違いされるんじゃ。。。」って思ったり。
一時期は光る道具も使ってたので、秋葉原のLED専門店とか物色したりもしましたし。
でもやるしかなくってねぇ。
じゃないと自分が納得できるものが出来ないから。
納得のいく道具が出来てようやく練習に入るので、
私の場合は道具作りの時間が異常に長くて、練習時間が短い。
てか、練習時間を短くしたいので、
自分用にカスタマイズされた道具を作ってる感はある。
純粋に、きれいな道具が出来上がっていくのって楽しい。
その道具に照明が当たって、めっちゃきれいに見えると、ハッピーになる。
演技が終わった時、舞台上が「風景」になっていると嬉しい。
そこには自分が自信を持ってお客様に見せられるものを置いておきたい。
そういう思いで、夜な夜な内職をするんです。
ホント、あの作業は内職、という表現がぴったりかも。
手品はそういう地味ぃぃぃな作業に支えられてます。
ある意味「器用」ってのは合ってるのかもしれない。